けんちん汁(岩手風)

けんちん汁(岩手風)

料理: 日本料理

地域: 岩手県

分量: 6人分

「けんちん汁(岩手風)」は家庭向けのスープ。岩手のけんちん汁は肉を入れず、豆腐を油でよく炒ってそぼろ状にするのが大きな特徴です。硬めの木綿豆腐を使うと形が残りやすく、炒めやすいです。材料と手順は以下の通りです。補足には家庭向けのコツもあります。

材料

  • だいこん 150g
  • にんじん 50g
  • ごぼう 50g
  • 木綿豆腐 2丁(約600g)
  • 油揚げ 2枚(約20g)
  • 角こんにゃく 50g
  • ぜんまい(水煮または戻したもの) 100g
  • わらび(水煮または塩蔵を戻したもの) 80g
  • しいたけ(またはしめじ) 50g
  • ねぎ 20g
  • サラダ油(またはごま油) 大さじ3〜4
  • だし汁(昆布・煮干し・かつおなど) 1.1L
  • 薄口しょうゆ 大さじ5〜7
  • 酒 大さじ2
  • みりん 大さじ2
  • 塩 少々

手順

  1. 木綿豆腐はキッチンペーパーなどで軽く水気をきり、手で粗くつぶしておく。だいこんとにんじんは皮をむいて2〜3mm厚さのいちょう切り、だいこんは下ゆでしてざるにあげる。ごぼうはささがきにして水にさらし、あくを抜く。
  2. 角こんにゃくは1cm角のさいの目に切り、熱湯で軽くゆでてぬめりを取る。油揚げは熱湯をかけて油抜きし、1cm角に切る。ぜんまい・わらびは食べやすい長さ(5mm〜1cm)に切り、しいたけは薄切りにする。ねぎは小口切りにする。
  3. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、つぶした豆腐を入れる。中火で5〜10分ほど炒り、豆腐がそぼろ状になり、鍋底にうっすら焼き色がつくまで水分を飛ばす(岩手風のポイント)。
  4. だいこん・にんじん・ごぼう・こんにゃく・油揚げ・山菜・きのこを加えてさらに炒め、油と豆腐の香りを野菜に回す。
  5. だし汁を注いでひと煮立ちさせ、薄口しょうゆ大さじ5・酒・みりん・塩少々を加える。中火で20〜30分ほど煮て、野菜が柔らかくなり味がなじんだら、残りのしょうゆで味を整え、ねぎを散らす。
  6. 器によそい、すぐに食べても、一晩置いて温め直してもおいしい。好みで焼きもちを入れて雑煮風にしてもよい。

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補足

岩手のけんちん汁は肉を入れず、豆腐を油でよく炒ってそぼろ状にするのが大きな特徴です。硬めの木綿豆腐を使うと形が残りやすく、炒めやすいです。

乾燥ぜんまいや塩蔵わらびの本格的な戻しは日数がかかります。家庭では市販の水煮や下処理済みの山菜パックを使うと手早く作れます。手に入らないときは、ふきの水煮やたけのこ水煮、なめこなどで代用しても郷土の雰囲気は残せます。

気仙地方では椿油を使う家庭もあります。サラダ油の代わりにごま油や椿油を少し足すと香りが豊かになります。

薄口しょうゆで色を抑えめに仕上げるのがおすすめです。濃口しかない場合は量をやや控えめにしてください。

翌日に温め直すと味がしみてさらに美味。小正月など、作り置きして食べる習慣の残る汁物です。

由来・歴史

けんちん汁は、根菜・こんにゃく・山菜などと豆腐を油で炒めてからだしで煮、しょうゆで味をつけた具だくさんの汁物です。神奈川をはじめ各地に伝わりますが、岩手県(とくに県北)では肉を使わず、豆腐をしっかり炒ってそぼろ状にするのが特徴です。

かつては庭仕舞いやお正月、なかでも小正月(女正月)に大量に仕込んで温め直しながら食べ、女性が休めるようにしたとも伝えられます。硬めの豆腐や地元の山菜、気仙地方では椿油など、土地ごとの工夫が生きています。

家庭では市販の水煮山菜やきのこで手軽に再現できます。炒めてから煮る工程だけは省かず、豆腐の香ばしさと野菜の甘みをだしに移すと、岩手らしいけんちん汁に仕上がります。